主な登場人物
| タンホイザー | テノール | ヴァルトブルク城の騎士 |
|---|---|---|
| エリーザベト | ソプラノ | ヘルマン1世の姪。タンホイザーの恋人 |
| ヴェーヌス | メゾソプラノ | ヴェーヌスベルクに住む快楽の女神 |
| ヘルマン1世 | バス | テューリンゲンの領主 |
| ヴォルフラム | バリトン | ヴァルトブルク城の騎士でタンホイザーの親友 |
時代と場所
13世紀初頭、舞台はドイツの森に囲まれたチューリンゲン
はじめに
ワーグナーが作曲したオペラはどれも難しくて長いと思うかもしれません。
しかし、この「タンホイザー」は、ワーグナーのオペラの中でも最もやさしいオペラの1つです。
ワーグナーはオペラの中でで「愛」、「死」、「救い」などの問題をよく扱います。
タンホイザーではこれらのワーグナーの考え方も比較的分かりやすく聴くことができます。
このオペラの序曲は、このオペラの中でも特に多くの種類のモチーフで構成されています。
テレビドラマの挿入曲としても度々使われていますので、いくつかの有名な旋律を知っているかもしれません。
序曲を何度も聞くと、ワーグナーの音楽がより理解しやすくなります。
主役はタンホイザーとヒロインのエリザベートですが、タンホイザーの友人であるヴォルフラムも必見です。
ヴォルフラムもエリザベートを愛しているのですが、エリザベートへの想いを決して表に出しません。
彼の行動は、第2幕の歌合戦で歌う「プラトニックな愛」のような愛を表現しているようです。
ヴォルフラムにはまた、第3幕で美しいアリア「O du mein holder Abendstern (宵の明星への歌)」が用意されています。
あらすじ
【第1幕】
時は13世紀初頭、舞台はドイツの森に囲まれたチューリンゲン。騎士であり吟遊詩人であるタンホイザーは、禁断の地とされていたヴェーヌスベルクで、愛の女神ヴェーヌス(ヴィーナス)と官能のひとときを過ごしていました。しかし、そんな生活にも飽きてしまったタンホイザーは、ヴェーヌスの誘惑を振り切って禁断の地をあとにします。 帰ってきたタンホイザーは、仲間からどこに行っていたのかと尋ねられますが、それに答えられずまた旅立とうとします。しかし旧友ヴォルフラムが「君の恋人エリーザベトが帰りを待っている」と言うのを聞いて、思いとどまります。
【第2幕】
本当はヴォルフラムもエリーザベトのことを愛していたのですが、タンホイザーを彼女のところに案内して、再会を喜ぶ二人を見守っていました。 舞台はヴァルトブルク城の大広間で行われる「歌合戦」となります。大勢の貴族や騎士たちが集まる中、領主ヘルマンは歌合戦の課題を「愛の本質」とし、勝者にはエリーザベトから賞が与えられると宣言します。歌合戦では、まずヴォルフラムが、「精神的な愛」こそ愛の本質だと歌いましたが、それをタンホイザーは否定して、愛の本質は「快楽」にあると歌い、官能の女神ヴェーヌスを賛美しました。 その歌で、タンホイザーが禁断の地ヴェーヌスベルクにいたことを知った人々は、口々に彼を国から追放せよと罵倒しましたが、エリーザベトが割って入り、一番傷ついているのは自分なのだと言いながら彼をかばいます。そこで、領主ヘルマンはタンホイザーに、罪を償い許しを請うためにローマ教皇のもとへ行くよう命じました。
【第3幕】
時が経ち、ローマから帰る巡礼者の中にタンホイザーを見つけられないエリーザベトは、ヴォルフラムの制止を振り切って、闇夜に天国へと続く道へ旅立ちます。 彼女が去ったあと、ヴォルフラムのもとにタンホイザーが帰ってきて、ローマで許しを得ることができなかったと嘆きます。自暴自棄になったタンホイザーは、止めるヴォルフラムを振り切って、禁断の地ヴェーヌスベルクに行こうとしますが、そこにエリーザベトの棺が運び込まれます。彼女の死に絶望したタンホイザーはそこで息絶えるのですが、魂は救済されます。エリーザベトの死が、彼の魂を救ったのでした。










