主な登場人物
| ヘロデ王 | テノール | イェルサレムの王、サロメの義父 |
|---|---|---|
| サロメ | ソプラノ | 16歳の王女 |
| ヘロディアス | メゾソプラノ | サロメの母 |
| ヨカナーン | バリトン | 地下の井戸に閉じ込められている預言者 |
| ナラボート | テノール | 衛兵隊長 |
時代と場所
舞台は紀元30年ごろ、イェルサレムのヘロデ王の宮殿
はじめに
『サロメ』の台本は、アイルランドの作家「オスカー・ワイルド」の戯曲が原作です。
ワイルドの戯曲ははじめフランス語で出版され、英語に翻訳されました。
しかし、物語とワイルド自身のスキャンダラス性のため、この戯曲はイギリスで上演されることはありませんでした。
この戯曲をヘートヴィヒ・ラハマンがドイツ語に訳し、リヒャルト・シュトラウスがそれを台本として、オペラとして作曲しました。
しかし、このオペラも上演を予定していたウィーン国立歌劇場から断られました。
当時、ウィーン国立歌劇場の音楽総監督は、今では有名な作曲家であるグスタフ・マーラーでした。
マーラーは、このオペラをウィーンで上演するために多大な努力を払いましたが、ウィーンで上演されたのは、ドレスデンでの初演から10年後のことでした。
このオペラで最も有名なシーンは、サロメが七つのベールを脱ぐダンスです。
タイトルロールの歌手は、10分以上激しく踊った後に、長いアリアを歌わなければならず、サロメはソプラノにとって最も難しい役の一つと言えます。
あらすじ
時は西暦30年頃、場所はイェルサレムの宮殿。
イェルサレムの王「ヘロデ王」と、その妻「ヘロディアス」は夫婦。
16歳の「サロメ王女」はヘロディアスの連れ子であり、ヘロデ王にとっては義理の娘ということになります。
実は、ヘロデ王はサロメの父もである、自分の実の兄を殺し、その妻であったヘロディアスを娶ったのでした。
宮殿の大テラス。衛兵隊長の「ナラボート」は、宮殿で開かれている宴で、サロメの美しさに心を奪われてしまいますが、ナラボートをひそかに慕う、ヘロディアスの小姓に笑われてしまいます。
そこへ救世主の到来を告げる重々しい声が聞こえてきました。
兵士たちによれば、それは、地下の古井戸に幽閉されている預言者「ヨカナーン」の声だと言うのです。
サロメとは実際に血の繋がっていないヘロデ王は、サロメをいやらしい目で見ており、それに耐えかねたサロメは、宴を抜け出してきます。
そして、彼女も地下から聞こえてくる奇妙な声を耳にします。
その声に興味を持ったサロメは、ナラボートをけしかけて、井戸の入口を開けるよう命じます。
井戸の入口を開けることはヘロデ王によって禁じられていましたが、サロメに好意を持っているナラボートは、彼女のために開けてしまいます。
ヨカナーンが現れ、ヘロディアスとヘロデ王の結婚のいきさつについて激しくののしります。
そして、サロメは次第にヨカナーンの不思議な魅力にひかれていきます。
サロメはよカナーンを色仕掛けで誘惑し、キスを求めますが、ヨカナーンは全く興味を示さず、井戸に戻っていきます。
そして、サロメの乱れた姿を見て、ナラボートはショックを受け、傷つき、なんと自害してしまいます。
ヘロデ王とヘロディアスがサロメを探しに大テラスにやって来ます。
ナラボートが自害したと知ったヘロデ王とヘロディアスの耳に、ヘロデ王とヘロディアスを非難するヨカナーンの声が井戸から聞こえてきました。
ヘロディアスは激怒し、慌てますが、ヘロデ王はその声が聞こえなかったのごとく、サロメにその場で踊りを舞うよう命じます。
サロメは最初は拒否していました。しかし、ヘロデ王が、「踊ったならば、褒美は何でもほしいものを与える」と言うと、彼女は身に7枚の薄いヴェールをつけて踊り始めます。
官能的な踊りが進むにつれ、ヴェールを一枚ずつ脱ぎ捨ててゆくサロメ。
ヘロデ王は猛烈に興奮し、やがて踊り終えたサロメに何が欲しいかと尋ねまする。
サロメは、「銀の大皿に乗ったヨカナーンの首が欲しい」と言います。
ヘロディアスは大ウケしますが、ヘロデ王は、預言者であるヨカナーンを殺すことを恐れていました。
狼狽したヘロデ王は、代わりの褒美を提案するものの、サロメは決して応じません。
ヘロデ王はとうとう根負けし、サロメの要求を受け入れます。
しばらくすると、役人が銀の大皿に乗せたヨカナーンの生首を持って現れます。
サロメは狂喜してそれを受け取ると、「お前は私にくちづけさせてはくれなかった、だから今こうして私がキスをするわ」と歌い、ヨカナーンの生首にくちづけをするのでした。
そのさまに慄然としたヘロデ王は、サロメの狂気に満ちた振る舞いに恐れを感じ、兵士たちにサロメを殺すよう命じるのでした。









